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広報誌 ネット&ライン No.82 1998 秋号
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     伊自良村長
   村橋 忠夫

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    21 世 紀 へ の 架 け 橋

 

 県都岐阜市の北部に隣接し、土地改良以外では開発のための重機が入っていない・・・・、昔からそのままの伊自良村。先祖が営々として守り築いてくれた24.82平方qの大地こそ、我々の生活圏域である。そして、これからもこの遺産を大切に守り、次代へ送りたい。
 「伊自良村はいじらない村であってほしい」というこの願いは、首長だけの願いでしょうか。

 さて、私の村の基本構想の第1には、村の将来像を「公苑文化村」と掲げている。
1.行き止まりの村に幹線道路を十文字に敷設し、隣接町村の幹線道路へ結ぶのが願望である。
2.主要地方道岐阜〜美山線は、トンネルにより近く結ばれる予定である。
3.自然環境を守るというより、自然をいかして村民の「心の安らぐ場」を造る。
この、「心の安らぐ場」とは何なのか。
・川の水が伏流して地表に水のない村に、下流であふれ出る湧水を利用した親水公園を造る。
・自然との共生を図る・・、例えばギフチョウをはじめとする昆虫、魚類など伊自良へ来れば何でも見ることができる、などなど。
 つまり、心の安らぐ場とは、造形より自然の景観を大切にした環境のなかで人が集うことのできる場といえよう。 

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 350年以上もの歴史をもつ、伝承芸能「十六拍子」。

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全国トップレベルの利用率を誇る伊自良村図書館。
広域図書館としての役割を十分に果たしている。

 

 また、人創りとは何なのか・・・・。豊かな心とは何なのか・・・・。どうすれば、そのことが理想に近づくのか。
 私は想う。
 現代世相のなかで、特に道徳心を子供の教育のなかで養うことではなかろうか。そこには人として生まれ、人として社会でどう連帯共生すべきか。その基本理念こそ、人創りの根幹であろう。
 そこで私は、こんなことを実行し、即効性は期待できなくとも、21世紀を生き抜く人を創ること、これを今真剣に考えることこそが首長の使命と考えている。
 幸いにも本村は、世界的にも有名な文学博士古田紹欽氏を輩出しており、氏は87歳という高齢にもかかわらず、日本はいうまでもなく、アジア・ヨーロッパに渡りその道を説いている。世界的仏教学者鈴木大拙氏の亡き後、日本の重鎮ともいわれる古田氏から人生哲学的な教えを学び、今の社会の大きなひずみを埋める努力こそが急務と考え、今その手法を考えながら一歩一歩進めているところである。

 今、私は岐阜県の将来像のなかで、忘れられているのではないかと思うことがある。それは、農業である。岐阜県は83%が山林である。残る17%のうち、半分以上は農地であろう。そして、その農地の40%が休耕田である。こんなことが他の産業にあるだろうか。加えて、ガットウルグアイラウンドにより、国内農業保護措置の削減、輸出補助金の削減による不公正な農産物輸出競争の制限を中心とする農業合意を受け入れなければならなかった。むろん、農業も世界のなかで生きなければならない産業であるからである。
 そうであるのなら、なぜ世界市場でも負けない商品を生産する努力をしないのか。農産物の研究課題は限りなく拓ける可能性がありながら、研究投資がまったく見られない。なぜなのか、まったくわからないのが今日の改革が叫ばれる不可思議な一事である。

 

 

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いちはやくハリヨの保護に取り組み、平成5年度に整備したハリヨ公園。

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県営水環境整備事業の一環で、伊自良湖に整備された噴水。
(静と動のコントラスト美)
 
 

 

 

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村が開発した新しい観葉植物「こんにゃくの樹」。
 

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       村出身の文学博士、古田紹欽氏を迎え
      ての講演会では、多くの聴衆を魅了。