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広報誌 ネット&ライン No.84 1999 春号
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センター第三次長期計画の概要
−市町村情報化の総合的なソリューションプロバイダーを目指して−

                              財団法人岐阜県市町村行政情報センター事務局

 

 社会経済情勢の変化に伴い、地方公共団体にあっては、より一層の行財政運営の効率化が進められているものと思います。行政における情報環境も情報技術の進展とともに、より多様化、複雑化、広域化し、更に高度な情報システムの構築が必要となってきています。
 こうした状況の中、センターは、第一次長期計画及び第二次長期計画で実現した事業を基盤として、市町村における21世紀の情報化を推進するため、平成11年度から15年度までの5か年を期間とする第三次長期計画を策定し、225日の理事会において決定いただきましたので、その概要を報告いたします。

 

センターを取り巻く諸情勢

地方公共団体を取り巻く諸情勢

 今日的には、地方行政改革の推進が、国の最重要課題の一つとして位置付けられる一方、地方分権の推進に伴い、総合的な地域福祉施策の充実等、地方公共団体が担うべき役割とこれに伴う財政需要がますます増大することが見込まれています。
 このような地方公共団体を取り巻く状況の中で、ワンストップ・ノンストップ・マルチアクセスサービスに対する住民ニーズは高まるとともに、国の「電子政府」の実現に向けた取組等、地方公共団体を取り巻く諸情勢は大きく変化しています。
 こうした背景から、市町村における情報化は、各種統計、税業務等の大量又は定型業務を中心とした集中処理システムから、少量、多種、非定型業務へと適用範囲が拡大しており、さらには、内部事務の効率化にとどまらず、住民に対する行政サービスの向上に直接つながる分野にまで拡大してきています。
 また、市町村において情報システムが利活用され、情報化の効果が享受できるようになる一方で、システムのオープン化、ネットワークの複雑化等に伴う運用管理作業の増加など、様々な課題が発生してきています。

 

近未来の行政情報環境 −電子市役所・電子役場−

 行政における情報化の波は、「電子政府」を目指す国から地方公共団体まで広がり、地方においては、国の「総合行政ネットワーク」に融合した「電子県庁」「電子市役所」「電子役場」の実現が求められています。
 「電子市役所」「電子役場」は、申請・届出等の手続の電子化、事務手続の電子化、電子化された情報の活用、電子化された情報による時間・空間を超えた行政サービスの提供を目指すものであり、この実現により、国・地方を通じた情報の交換・共有、政策形成・施行の迅速化、ワンストップ・ノンストップ・マルチアクセスサービスが可能となるものです。
 図1は、電子市役所・電子役場のモデルのイメージです。

 

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図1 電子市役所・電子役場モデル

 

センターのあるべき姿

 地方公共団体を取り巻く諸情勢の変化に伴い、行政情報化、地域情報化に対する期待が更に高まってきています。しかしながら、市町村では、大幅な職員増は期待できず、また、長引く不況による厳しい財政状況の中で、いかにして経済的かつ効果的に情報化を推進するかが重要な課題となっています。
 センターは、「コーディネートした事業は、自らの責任で構築、運用、保守までを一貫して行う」ことを取組の基本姿勢とし、近未来における市町村行政情報環境のあるべき姿として「電子市役所・電子役場」の概念を確立し、この実現に向けて、従来から培われた共同利用基盤を基に情報資源を総合化して、市町村の情報化に向けた支援を行うことをセンターの果たすべき役割とし、「市町村情報化の総合的なソリューションプロバイダー(解決策の供給者)」を目指します。
 基本目標の第一は、「電子市役所・電子役場」の実現を目指した総合行政情報システムの構築であり、21世紀初頭に「電子政府」の実現を目指す国の行政情報化施策を受け、市町村におけるネットワークを駆使し電子化された情報の管理・活用を目指します。
 第二は、総合行政ネットワークに融合した市町村の広域ネットワーク基盤整備の推進であり、国の総合行政ネットワークとの接続、情報交換・情報共有を視野に入れた市町村の広域ネットワーク基盤の整備を図ります。
 第三は、これらを実現するため、センターの「研究開発支援機能」、「システム開発提供機能」及び「運用・管理支援機能」を整備・拡充するとともに、センターの基本機能でありますシンクタンク機能、コーディネート機能の強化を図ります。
 これらをまとめたものが図2です。センターは、市町村、外部有識者及び民間企業の知恵とパワーを、基本機能であるシンクタンク機能及びコーディネート機能により総合化し、研究開発支援機能、システム開発提供機能、運用・管理支援機能を整備・拡充して、総合的なサービスの提供を行います。

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図2 電子市役所・電子役場の実現を目指すセンター機能

 

基本施策

 第三次長期計画の基本施策は、図3に示すように「高度情報技術を有効活用した信頼性、安全性の高い総合行政情報システムの提供」など6本の柱から構成しており、これらの施策により電子市役所・電子役場の実現を目指します。

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図3 基本施策の体系

高度情報技術を有効活用した信頼性、安全性の高い総合行政情報システムの提供

 市町村では、一層の事務の効率化と住民サービスの向上を目的として、高度情報技術を有効活用した信頼性、安全性の高い総合行政情報システムの提供が求められています。
 このため、情報システムの拡充、総合化を図り「総合行政情報システム」(図4参照)の構築に向けた取組を行うとともに、市町村における近未来の情報環境を展望し、信頼性、安全性の高い情報システムを構築します。

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図4 総合行政情報システムの体系図

広域ネットワークを実現する情報通信基盤の整備と運用・管理支援サービスの提供

 国の「総合行政ネットワーク」に融合するため、セキュリティ対策、個人情報保護対策に留意して、市町村のネットワーク情報通信基盤の整備を推進するとともに、複雑化する市町村のネットワーク等情報資源の運用・管理を支援するサービスを提供します。

 

情報化を推進する共同研究体制の確立

 住民ニーズの多様化・高度化により、行政サービスの質的向上や、市町村間でのサービスの連携が求められるなど、情報化に対する期待が高まっています。
 このため、センターは、市町村の情報化に関する共同研究の推進に協力するとともに、市町村との共同研究体制を確立し、様々な情報化の課題の抽出や課題解決の方策の検討を行い、市町村の情報化の推進を図ります。

 

高度情報化の推進に向けた情報化支援サービスの提供

 市町村が主体的に情報化を企画・立案し、推進するためには、業務、情報技術に関する広範なノウハウが必要であり、市町村における情報化人材の育成はもとより、外部からのノウハウの導入が必要となっています。
 このため、センターのシンクタンク機能を活用し、市町村の独自性を踏まえた情報化を推進するコンサルティングサービスを提供するとともに、政策立案や着実な業務遂行を支援する情報提供サービスの推進を図ります。

 

情報化を担う市町村職員の育成を支援する教育研修サービスの提供

 市町村では、情報システムが様々な分野に活用されるようになってきており、すべての市町村職員に対しての情報リテラシの向上が求められています。また、各部署においては、各部署ごとの情報化推進役かつプランナーとしての人材が求められています
 
このため、センターは、教育研修サービスの体系を確立し、それぞれに応じたカリキュラムづくり、研修内容の質的向上、リモート研修等、多様な研修形態による教育研修サービスの充実を図ります。

 

計画実現に向けた事業運営基盤の整備

 高度化する市町村の情報化を効率的に推進するためには、共同利用組織であるセンターの事業運営基盤を充実整備する必要があります。
 このため、高度情報技術の調査研究等を通じたセンターのシンクタンク機能の拡充、民間企業等の技術力を総合化するコーディネート機能の拡充、新たなセンター事業の確立に必要となる人材の育成・確保を図ります。また、運用・管理支援サービス等の新たなセンターの役割に対応するため、「バックアップ(防災)センター」の設置も視野に入れた体制整備を図るとともに、民間企業を有効活用し、センター機能の拡充・強化に努めるなど、安定的、経済的、継続的に市町村の情報化を推進します。

 

おわりに

 センターは、市町村のための共同利用センターとして、この第三次長期計画の実現に向け全力を挙げて取り組む所存でありますので、更なる皆様方の御協力をお願いいたします。

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オープン化
  仕様を公開すること。

コーディネート
  調整する。統合させる。目標達成のため行動の統一を図ること。

情報リテラシ
  情報に関する知識・教養(information literacy)。