トップページへ 広報誌 ネット&ライン>No.101 最新号 バックナンバー

広報誌 ネット&ライン No.101 2003 夏号
もどる

ITポータルサイト
山県市・瑞穂市への
システム統合の支援を終えて

財団法人岐阜県市町村行政情報センター 情報企画室



はじめに
 市町村合併に伴うシステム統合は、市町村としても当センターとしても初めての経験であり、実際に何から始めてよいのか暗中模索の状態でした。
 しかし、時が経つに連れ、暗闇の空からやや光が見え始め、晴れ間こそ見えずとも先の光が見え始めたのは高富町・伊自良村・美山町の合併期日の9か月前でした。
 当センターのシステム統合支援の良否については、新市を迎えられました山県市及び瑞穂市へ委ねることとしまして、支援内容について反省を踏まえ、掲載させていただきます。

システム統合に向けて
暗中模索
当センターがシステム統合について支援を行うに当たって、まずシステム統合の手順を明確にし、当センター内部での調整を十分に行い、合併協議会、各業務分科会等へ手順を明確に説明できることとし臨むことでした。
 …が、あに図らんや、スタートラインには立ったものの、「スタートのホイッスルは誰が鳴らすの」といった様相で、ホイッスルを鳴らしたものの、職員の足取りは重く、ジョギングならずスローなウォーキング状態でした。各自各様、各部署各様の思いはあるものの空回り状態でした。
 「各種の情報を、どういった形で伝達・聴取・共有したらいいのか」、「関係部署間の調整をどうしたらよいのか」、「センター職員のモチベーションをどう向上させるのか」など、正に暗中模索の状態でした。
 そこで、形振り構わず、時宜に合わせ業務担当職員の召集を行い、定例的に情報交換会を行い、進捗状況の報告、課題の整理、統合手順について確認を行いながら前に進み始めました。進みだしたら速いもので、これまでのスローなウォーキングがランニングとなり、モチベーションも上向いてきました。「よしやれる」と確信したのはこのころで、暗中模索からの脱出といったところでした。

時間がありそうで…実はない
 山県市及び瑞穂市のシステム統合を経験させていただき感じたことは、システム統合は各自が当事者意識を持ち、各自がモチベーションを向上させることが重要と考えます。
 「時間があるから」、「まだ早い」、「任せておけばいい」、「ついでに」などといった意識では到底成功しません。
 このことは、当センター内部でも、合併当該市町村でも同じく、事前の気構え、「用意周到」「転ばぬ先の杖」とかいうまでもなく必要であります。事前準備を怠ると、その先には大きな落とし穴が存在するのが現実です。

システム稼動に至るアプローチ
 システム統合は、住民情報システムが基本となり、ここで統一したコードを確立することにより他業務システムで利用が可能となります。このため、担当業務を問わず、システム統合に向けた共通認識を持ってもらうために、構成団体の関係職員を一同に招集いただいた、全体会議を皮切りに業務分科会、情報分科会との打合せ等を行ってきました。
 特にネットワーク整備については、システムを稼動させる上での基盤となることから、ネットワーク整備−機器導入−システム搭載−システム稼動といった順に進めることとなります。このため、ネットワーク整備、機器設置、機器設定、システム設定などを調整するため、情報系当該分科会、メーカー・ディーラーを交えた定例的な打合せを行いました。

システム稼動に至るアプローチ

残された15時間が勝負
 合併期日前日から当日(窓口事務開始時間)まで残された時間は、わずか15時間。この時間内ですべてを完了しなければなりません。
 合併構成団体での業務が終了後、構成団体では既存サーバへの月末収納作業や新市用サーバへの異動分入力作業が始まります。その作業が終了後にメーカー・ディーラーで機器移設、機器設定、続いて当センターのシステム設定、システム稼動テスト、出力テスト等の作業を行い、最後には再び構成団体職員の方々に出力結果の確認をしていただきました。
 以上の作業を踏まえ、合併当日に窓口で発行されます各種証明書等が正確であれば、ひとまずシステム統合は完了し円滑に滑り出したといえます。この間は時間との勝負であり、一瞬たりとも気が抜けない時間です。
 実際に、「プリンタの調子がおかしい」、「システム設定に思わぬ時間がかかる」、「クライアントの容量が足りない」など、予期せぬ事態が待ち受けていましたが、構成団体の職員の方々の御協力と励ましにより、夜を徹しての作業ではありましたが、克服し合併期日当日を無事迎えるに至りました。
 残された15時間の短さと重みを実感したところです。

システム統合のポイントと想定される課題と事前準備
システム統合のポイント
 システム統合に向けた対応は、これまでのシステム委託・受託といったものとは大きく異なり、複数の構成団体との連絡・調整、仕様確認、結果確認など、短期間での作業と予期せぬ事態が待ち受けています。
 ついては、これまでの経験を踏まえ、以下のポイントを明確にする必要があると考えます。

POINT 1
意思決定の所在とプロセスの明確化
迅速な判断で周知を図る
POINT 2
連絡調整窓口の一本化
常に共通認識に立った情報交換を図る
POINT 3
システム利用部門の理解
業務システムに合わせる視点を持つ
POINT 4
統合システムの優先順位
統合システムの優先順位を考慮する

想定される課題と事前準備
 ここでは、直接システムに関する準備ではなく、システム稼動に向けた作業について構成団体側で事前に準備・作成及び検討が必要となるものです。

○合併期日の考慮
 システム稼動は、合併期日直前の作業が必要不可欠であるため、合併期日前が休日であることが望ましい。

○機器調達時期と調達団体
 ネットワーク構築完了時期に合わせた機器の導入及び調達団体を明確にする必要がある。

○機器管理台帳の整備
 構成団体別に、現在利用されている機器について部署別クライアント台数・使用OS等の管理資料作成が必要となる。

○機器配置図の整備と適用システムの選定
 合併期日前(10日前程度)には、「どのクライアントを、何台、どこに移設するのか」など、設置レイアウト(配置図)が必要となる。
 また、クライアント別に搭載するシステムの事前検討が必要となる。

○ネットワーク環境の整備
 システムテストを行えるネットワーク環境(岐阜情報スーパーハイウェイ等)を準備しておくことが必要となる。

○窓口クライアントの選定
 前日・当日に至る時間を考慮し、合併期日前に窓口で最小限必要となるクライアントの選定が必要となる。

おわりに
 山県市及び瑞穂市における合併期日を円滑かつ無事に迎えることができましたことは、ひとえに、合併協議会事務局、各専門部会・分科会及び構成団体の職員の方々の多大なる御協力の賜物と感謝いたしております。
 また、山県市及び瑞穂市の合併は、構成団体のすべての町村が基幹となります住民情報、財務情報等のシステムについて、当センターシステムを御利用していただいていたことが、円滑なシステム統合ができました大きな要因のひとつであったと考えます。
 しかし、合併期日は迎えたものの、今後に行う合併に関連した業務処理が多く残されています。これらの業務処理が完了し円滑な運用が行えるようになった時点でシステム統合が完了するものと考えます。
 つきましては、センター職員一丸となってシステム統合完了まで対応いたしますので、引き続き新市職員の方々の御協力をいただくようよろしくお願いします。