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広報誌 ネット&ライン No.131 2011 冬号
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特集
総合行政情報システムの自治体クラウドの取組
公共システム研究所

1 はじめに
センターでは、将来的な電子自治体対応等を見据えたWeb型のシステムとして、19年度からASPサービスによる総合行政情報システムの提供を行ってきました。
近年では、複数の自治体が共同でクラウド型のシステムを導入する動向が見られますが、センターにおける自治体クラウドの取組について御紹介します。



2 自治体クラウドに関する動向
(1)自治体クラウドとは
前稿で総務省地域情報政策室長の高地氏が執筆されているとおり、ASP/SaaSと共同化・集約化を組み合わせたものが自治体クラウドであるとされています。
自治体クラウドとは
画像をクリックして拡大してご覧いただけます。
◆クラウドコンピューティングとは
●アメリカ国立標準技術研究所が2009年10月に定義した内容は、「クラウドコンピューティングとはモデルであり、構成変更が可能なコンピューティング資源の共有プールを、オンデマンドなネットワークアクセスで可能にする。」ものであるとしており、米国Google社の検索サービス等が該当するとしている。
●今日的には、ネットワークを経由して情報システムに関するインフラ、アプリケーション等をサービスとして利用する方式、ビジネスモデル等を総称した用語として用いられている。
●現実的には、クラウド=雲のような所在不明な環境に市町村の業務システム、とりわけ個人情報を預けることは皆無に等しいと考えられる。
(2)国の動向
自治体クラウドの推進に関する国の取組については、前稿の記事に詳細が記載されていますが、全国的に自治体クラウドを推進するべく、国としても様々な施策に取り組まれています。
23年度以降に向けては、一定の基準を満たしたクラウド化に取り組む自治体に対して、金銭的なインセンティブを付与する法制度の整備についても検討が進められています。
(3)先進団体の動向
自治体クラウドの先進事例として、総務省では次の事例を挙げております。
─ 西いぶり広域連合
─ 山形県置賜広域事務組合
いずれの事例も、自治体クラウドという用語が広まる以前から、ASP/SaaSによる共同利用として取組が進められたものですが、現在は自治体クラウドの先進事例として紹介されています。


3 センターの取組
(1)自治体クラウド型システムの提供
センターの総合行政情報システムは、企画・構築段階からWeb技術を活用し、ネットワーク経由でのサービス提供(ASP)を基本方針としており、共同利用の効果を一層高めることを目的としたシステムです。
この総合行政情報システムは、ASP/SaaS方式によるシステムを県内の複数市町村で共同利用しており、前述の先進事例と同様、構築時には自治体クラウド型として意識していたものではありませんが、現在では自治体クラウド型のシステムと位置付けることができます。
総務省における自治体クラウドの要件として示された内容に対する、センターの総合行政情報システムの内容は次の図どおりとなっています。
リソースのNW経由での利用
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プラス
リソースの共同利用
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イコール
リソースのNW経由での共同利用
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(2)仮想化技術の適用に向けた調査研究(22年度)
総合行政情報システムでは、アプリケーションの共同化(標準化)に加え、データセンター施設、ネットワーク等共用可能なリソースについて、複数市町村による共同利用を行い、経費の軽減を図っておりますが、一層の経費の軽減に向け、コストダウン技術の向上を図ることとしております。
サーバ等の機器、データベースなどについては、セキュリティ面を考慮し、市町村ごとに環境を構築しています。
今年度の取組としては、仮想化技術の実用化を踏まえ、市町村ごとに用意した物理的なサーバ、ミドルウェアのライセンス等を複数市町村で共用することにより、機器、ミドルウェア等の調達総数を減少させて経費の軽減を実現する仮想化技術の適用調査研究に取り組んでいます。
─ 適用の検証
  モデル地域の市町村を対象に、各種サーバのハード的リソースを共用化する仮想化環境を設計し、必要となる資源及び経費を検証しました。
─ 経済的効果の検証
  仮想化環境の構築のためには、新たなミドルウェアが別途必要となるなど、現時点では必ずしも安価とはならないため、今後費用対効果を見極めることとしています。
─ セキュリティ課題の検証
  仮想化環境における資源の共用について、利用市町村の理解が得られない、障害時の相互干渉(他団体への影響)といった課題が考えられるため、引き続き調査、検証等を進めることとしています。


4 おわりに
自治体クラウド等の先進的な取組について、センターでは経済的かつ効果的なシステム・サービスの提供が行えるよう、今後とも適用技術の調査研究等を行ってまいりますので、引き続き御協力いただきますようお願いいたします。



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