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御嵩町長
柳 川 喜 郎
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戦中から戦後の復興期、御嵩は「亜炭の町」として知られていました。「御嵩といえば亜炭」、「亜炭といえば御嵩」といわれるほどでした。町内のいたるところに亜炭鉱のヤグラがたち、最盛期には百余りの炭鉱が数千人の労働者でにぎわい、年間産出量数十万トンと全国亜炭産出量の半分ちかくを占めるほどでした。まだ貧しい時代でしたが、御嵩は亜炭景気で荒っぽいながら活気に満ち、「我が世の春」ともいわれていました。私も亜炭鉱で坑外に出された亜炭のトロッコ押しのアルバイトをやったことがあり、当時のことをよくおぼえています。御嵩の亜炭は岐阜、愛知などの繊維工場や陶磁器工場などに出荷され、ほんとうに「産業の動脈」の役割りを果しました。
ところが、日本の高度成長期がはじまり、石炭から石油へのエネルギー革命が進むにつれて、御嵩の亜炭鉱はみるみるうちに衰退してしまいました。あとに残されたのは、町全面積の十パーセント以上にあたる六百七十四ヘクタールの地下にひろがる廃坑跡です。亜炭鉱の落盤は最盛期のころから、たびたびおきて悲惨な死傷事故になったり、五人が百時間以上も生き埋めになって奇跡的に救出されて映画になったこともあります。たび重なる落盤や沈下など鉱害をなんとかしようと、昭和三十四年、臨時石炭鉱害復旧法に基づいて「東海石炭鉱害復旧事業団」ができて、二十年間に十五億円をかけて農地や家屋の鉱害復旧がおこなわれました。
しかし、その後いまにいたるも「浅所陥没」の鉱害は、年間数件は起きています。御嵩町にとって「負の遺産」はまだ残っているのです。いまのところ、鉱害復旧法に基づいて鉱害はほぼ全額国費で復旧工事がおこなわれていますが、鉱害復旧法は平成十四年三月できれてしまいます。
その後、鉱害が発生しないという保証はありません。なんとかしなくてはと、数年前から通産省などと交渉してきたのですが、ようやく対策をたてるための動きがでてきました。なんとしても期限までに最良の対策をたてたいものです。「負の遺産」をできるだけ減らすために。 |
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オオタカは里山に棲む猛きん類の一種で、食物連鎖の頂点に位する鳥です。オオタカが生きていくためには、その地域に多くの生物がいなくてはなりません。つまり、オオタカがいるということは、その地域の自然環境がまだ守られているという、なによりの証拠なのです。昨年秋、2年前から定期的に小和沢の森で野鳥の観察をつづけているグループから、「オオタカが飛んでいるのを確認した」ときいておどろきました。
ところが、偶然にも、その翌日、新聞報道で「みたけの森」でオオタカの巣があったアカマツが切りたおされて、ヒナがとられたらしい、と知りました。またおどろくと同時に、「なんという不心得なことを・・・」と激しい怒りがこみあげてきました。 「みたけの森」のササユリを引っこぬいていく「花盗人」も許されませんが、木を切りたおした上、ヒナを持ち去る行為は、きわめて悪質で違法な犯罪行為です。
なんとしてもオオタカの親子を守りたいと、ヒナが巣立つまで「みたけの森」の林道の一部を通行止めにし、役場の職員が泊りこみで警戒にあたってくれました。
自然環境はいったん破壊されると、もとに戻すことはとても難しいのです。人間は自然環境なしには生きていけません。子や孫たちのために、いつまでもオオタカが舞う町にしたいものです。 |
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1月25日初日から3つのエリアに設定した6か所の観察ポイントすべてで、オオタカの飛翔が確認されるという滑り出しで、調査が始まりました。調査報告書によると、延べ12日間の調査中、2月8日の半日だけ雪で調査を中止しましたが、調査は順調で、表のように各エリアでオオタカの飛翔や木の枝に止まった姿が合わせて119回確認できました。
この観察期間中、オオタカが白い腹を見せて木の枝に止まり、自分のテリトリー(縄張り・勢力圏)やえさ場の範囲を示すといわれる「誇示止まり」や、飛翔しながらテリトリーの占有宣言や求愛のために行う「スカイダンス」と呼ばれる特殊な飛翔などが何度となく確認できました。 |
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2000年も残すところ後わずか、二一世紀は目前となりました。日本はいま大きな曲がり角にありますが、年代的にも2000年は節目の年、私たちが歩んできた道をふり返り、新世紀に向けて、いかに歩んでいくか、しばし立ち止まって考える好い機会かと思います。
御嵩町における最重点課題は、ひきつづき福祉と環境です。
昨年、養護老人ホーム、デイサービス、ショートステイ、在宅介護支援センターを兼ね備えた老人福祉施設が完成し、お年寄りと若い人たちがふれあう場としての世代交流センターもオープンしました。
高齢化社会にむけての新しい試みであるグループホーム建設にも着工し、今春完成しました。今年四月からは介護保険制度がはじまり、老人福祉対策は急ピッチで進めなければなりません。
今年は、さらに新しい試みとして、宅老所の開設が決まりましたが、ひきつづき大規模な特別養護老人ホームの建設、宅老所の増設にむけて計画をにつめています。老人福祉と並んで、障害者福祉の計画も具体化しなくてはなりません。
美しい自然環境は、御嵩町の宝です。これから二一世紀を生きていく子どもたちのために、健全な生活ができる環境を残していかねばなりません。
二一世紀は「環境の世紀」になるでしょう。環境優先の世紀です。
御嵩町の工業団地「グリーンテクノみたけ」に進出してくる企業のなかにも、「御嵩の自然環境が気にいったから」という企業が増えています。かけがえのない環境を守るために、本格的なごみ減量作戦、自然環境のシンボル、オオタカの生息調査を実施しています。
お年寄りや障害を持つ人たちへの「福祉」、後の世代の人たちへの「環境」、共通の目標として、「安心して暮らせる町づくり」を目指しています。
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