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| 職場における健康管理 [第8回] |
| 岐阜大学医学部衛生学教室助教授 井奈波良一 |
| 心の健康づくり −その2− |
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【心の健康づくり計画】 メンタルヘルスケアは、中長期的視点に立って、継続的かつ計画的に行われることが重要である。このため、事業者は、衛生委員会等において調査審議し、事業場の心の健康づくりに関する職場の現状とその問題点を明確にするとともに、その問題点を解決する具体的な方法等についての基本的な計画(以下「心の健康づくり計画」という。)を策定することが求められている。 心の健康づくり計画で定める事項は次のとおりである。 □事業場における心の健康づくりの体制の整備に関すること □事業場における問題点の把握及びメンタルヘルスケアの実施に関すること □メンタルヘルスケアを行うために必要な人材の確保及び事業場外資源に関すること □労働者のプライバシーへの配慮に関すること □その他労働者の心の健康づくりに必要な措置に関すること 【メンタルヘルスケアの具体的進め方】 ここでは、労働者自身がストレスや心の健康について理解し、自らのストレスの予防、軽減あるいはこれに対処する「セルフケア」、労働者と日常的に接する管理監督者が心の健康に関して職場環境等の改善や労働者に対する相談対応を行う「ラインによるケア」について述べる。 セルフケア ○労働者への教育研修及び情報提供 労働者が有効にセルフケアを行うには、心の健康に関する正しい知識が必要である。このため、事業者は労働者に対して、以下に掲げる項目等を内容とする教育研修、情報提供等を行い、心の健康に関する理解の普及を図る必要がある。 ・ストレス及びメンタルヘルスケアに関する基礎知識 ・セルフケアの重要性及び心の健康問題に対する正しい態度 ・ストレスへの気づき方 ・ストレスの予防、軽減及びストレスへの対処の方法 ・自発的な相談の有用性 ・事業場内の相談先及び事業場外資源に関する情報 ・メンタルヘルスケアに関する事業場の方針 ○セルフケアへの支援等 セルフケアを推進するには、労働者が上司や専門家に対して相談することができる体制を整備することが重要である。このため、事業者は、事業場の実態に応じて、その内部に相談に応じる体制を整備したり、事業場外の相談機関の活用を図る等、労働者が自ら相談を受けられるよう必要な環境整備を行う。 さらに、ストレスへの気づきのために、ストレスに関する調査票や社内LANを活用したセルフチェックを行う機会を提供することも望ましい。 ラインによるケア ○ラインによるケアの推進 職場環境等の改善の対象 労働者の心の健康には、作業環境、作業方法、疲労回復施設等の職場環境のみならず、労働時間、仕事の量と質、職場の人間関係、職場の組織及び人事労務管理体制等が影響を与えるのでこれらの問題点の改善を図る。 職場環境等の評価と問題点の把握 管理監督者は、日常の職場管理や労働者からの意見聴取を通じ、また、ストレスに関する調査票等を用いた職場環境等の評価結果を活用して、具体的問題点を把握する。 職場環境等の改善 管理監督者は、労働者の意見を踏まえた上で、職場環境・勤務体制の見直し、管理監督者の人間関係調整能力の向上、職場組織の見直し等の様々な観点から行う必要がある。また、対策の効果を定期的に評価し、効果が不十分な場合には計画を見直す等対策がより効果的なものになるように継続的に取り組む必要がある。 個々の労働者への配慮 管理監督者は、労働者の労働状況を日常的に把握し、個々の労働者に過度な長時間労働、過重な疲労、心理的負荷、責任等が生じないようにする等、労働者の能力、適性及び勤務内容に合わせた配慮を行う。 ○労働者に対する相談対応
管理監督者は、日常的に、労働者から自主的な相談に対応するよう勤める必要がある。特に長時間労働等により過労状態にある労働者、強度の心理的負荷を伴う出来事を経験した労働者、その他特に個別の配慮が必要と思われる労働者から、話を聞き、適切な情報を提供し、必要に応じて事業場外資源への相談や受診を促すことが肝要である。 |