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広報誌 ネット&ライン No.96 2002 春号
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「御野國加毛郡半布里 大宝弐年戸籍」からのメッセージ
 富加町参事兼福祉保健課長 佐藤八起


 「御野國加毛郡半布里 大宝弐年戸籍」は、奈良の東大寺正倉院から多くの御物とともに発見された戸籍で、大宝2年(西暦702年)に作成され、一部が欠けているとはいうものの、ほぼ完全な形で残され、現存する最古の戸籍です。この戸籍には、59戸1,119人の名前が記されており、今から1,300年前の富加町一帯に住んでいた人々の戸籍であるといわれます。

 今の表記文字で表すとするなら「里」や「郷」は集落を表す「村」を意味するところから「美濃国加茂郡羽生村戸籍」ということになります。この戸籍を紐解いていくと当時の人々の生活や文化を窺い知ることができ、太古のロマンを大いにかきたてるものがあります。

 さて、今やIT時代といわれ、岐阜県ではソフトピアやVRテクノを核とした高度な情報技術の集積が図られ、住民基本台帳の全国ネットワークが本年8月の稼働を目指して構築されています。
 当町でもようやく「イチパソ」といわれる一人1台のパソコンが使える環境ができてきました。ここで「ようやく」というのは、昭和55年に地方自治情報センターの研修に参加した折りに、某企業から「当社でパソコンを使えない者は窓際族」と聞かされ、大きなカルチャーショックを受けてから22年、ようやく当町においてもイチパソになったからです。

 今やコンピュータが導入されていない市町村はないと思いますが、エンドユーザーが情報リテラシをどのように高めているかがこれからの大きな課題になると思います。
 通信ケーブルが鉄線から光ファイバーに、通信技術がアナログからデジタルに変わり、これらの技術とコンピュータとを組み合わせることにより、1+1の結果が3にも4にも相乗的な効果を高めて行くのが情報システムなのです。もっとシステムやデータファイルの安全対策を講じながら、インフラのオープン利用を図らなければ利用効率が上がらないばかりか、職員の利用意識もそこで停止してしまいます。
 情報インフラは費用を掛ければ構築できますが、利用する技術や能力はエンドユーザーの置かれた環境から生ずる意識によるところが大きいのです。これまでの電算処理は、大量一括処理でよかったのですが、パソコン利用は日常的に机上での仕事をこなし、少量多種随時処理を行うことであります。こうした時にパソコンを何にどう利用するかを考えるのがエンドユーザー自身であり、他人が考えてくれるわけではないのです。
 クライアント/サーバシステムによる基幹業務処理結果で、枝葉の業務が必要とするデータを、各種のファイル型式でタイムリーに取り出すことができれば、これを利用したデータベース構築などエンドユーザーで発展させることができ、柔軟な発想が生まれてくると思います。
 システムには際限がなく、質の高い、しかも使い勝手の良いシステムは、エンドユーザーの情報利用技術と仕事に精通した知識が融合したところから生まれてくるものです。

 現在、当町では情報センターのクライアント/サーバシステムを導入しており、同時に何台かのパソコンを設置しています。しかし、このパソコンは特定業務の専用機として、他業務の利用が閉鎖されています。このままだと、質が高く、使い勝手のよいシステムや機器とはなり得ないと考えます。
 コンピュータは使っても使わなくてもリース料に変わりはなく、使うほどにシステムを有機的に結合させ利用効率を高めることができるもので、中途半端な使い方が逆に効果を低減させるものだと実感しています。
 この点においてセンターの提供システムや機器利用の在り方にいささかの疑問を持つところです。

 話は変わりますが、以前に情報の記録媒体として何が一番確実かという内容で、興味深いテレビ番組が放映されていました。
 記録媒体というと磁気媒体のFPDやMT、光を利用したMOやDVDが思い浮かぶところです。
 光学式の場合は記録面を保護する透明樹脂が、経年老化により透過性を失うかもしれない。また、磁気記録媒体ではフィルム上に塗られている磁性体が経年老化により剥離することも考えられ、この意味では古典的な方法ではあるが紙や木に墨書されたものが一番確実ではないかというものです。

 今の私たちは、古代の人々が「御野國加毛郡半布里 大宝弐年戸籍」によりメッセージを残してくれたように、1,300年後の人たちに果たして何を、どのような方法で残すことができるのでしょうか?
 当町では、半布里戸籍1,300年のロマンに思いを馳せ、今秋にイベントを予定していますが、これを契機にITを駆使し、1,300年の過去から未来へ、時空間を超えた時代へメッセージを伝えたいものです。