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| 電子自治体に向けた文書管理の必要性 文書管理コンサルタント 村岡正司 ●はじめに 2001年3月に「e-Japan重点計画」が策定されて以降「世界最先端のIT国家となる。」との国家目標に向け、「電子政府の実現」と合わせた「電子自治体の構築推進」が着実に推進されてきている。さらに、2005年という目標年次への中間段階に差し掛かることから、重点政策5分野を中心に「e-Japan重点計画」の見直し(14年4月9日IT戦略本部了承)も図られている。岐阜県内の市町村においても、その「電子自治体構築の推進」の一環として文書管理システムの構築(起案・決裁・保存まで電子データで管理、情報公開にも対応するシステムの導入)が計画されている。 文書管理システムは、市町村内の文書(紙文書及び電子文書)を適切に管理するための基盤となるシステムであり、急激な変化を続ける情報化社会の中で、インターネットなどを活用した住民に対する新しいサービスの提供や、市町村の事務の効率化及び高度化を進め、住民の期待に応えた行政を展開するために必要不可欠なシステムであることから、早急な整備が必要である。具体的には、「電子自治体」の運営に適した「文書管理の仕組みを再構築する。」ことにある。 本稿では電子自治体に向けての「文書管理のあるべき姿」を想定し、重要な検討課題である電子決裁導入への留意点等について提言を行いたい。 ●電子自治体に向けての文書管理のあるべき姿 文書管理のあるべき姿と達成要件 文書の管理は、「国民への説明責務」として「記録目的の管理」と「業務への活用目的の管理」の二つが効率的、効果的に行える仕組みになっていることである。 そのためには、以下のような六つの要件を満たす必要がある。 要件1 行政文書の区分管理 情報公開への対応に係わる対象文書(以下「行政文書」という。)が開示請求時に、速やかに取り出せるような状態で行政文書と対象外文書(以下「個人文書」という。)が明確に区別されて管理されていることである。 本来存在すべきものが管理の悪さから「不存在」の扱いとなり、情報隠しと指摘されないためにも
要件2 文書管理者の承認 組織として管理する文書管理システムへの搭載は文書管理者である「課長等」の承認を受けて行われている。言い換えると、組織共用文書の管理責任は担当職員ではなく、「文書管理者」であり、搭載対象、保存期間、ファイル名(文書名)等についてシステムに正式搭載する前に事前チェックを受けることになる。 要件3 紙文書も電磁的記録も同じ思想で管理 電子文書においても、紙文書同様に関連電子文書のまとまりである「ファイル」を電子的に作成管理し、保存期間が満了するまでの間、ソフトやハードの技術発展、記録媒体の耐用年数に応じ、他の記録媒体への変換、データ・ファイル形式の変更、定期的なバックアップ等が計画的に行われている。 要件4 不開示情報を含む名称は名称に工夫 「行政文書ファイル(文書)の名称」に不開示情報を含む場合は、住民に公開する「行政文書ファイル(文書)の名称」を工夫して名称を付与する。 要件5 所在管理 管理する期間当該文書が特定(当面はファイルとして特定)が可能であり、かつ取り出せるよう所在管理がなされている。具体的には、(1)紙現物ファイルのユニークな番号と目録データとが一致している。(2)紙文書の所在データと目録データとが一致している。(所在データの管理レベルは、現実的なもので行う。(執務室、書庫等))(3)指定の所在収納先に確実に収納されるような運用の仕組みが整備されている。(執務室から書庫等への移動時の運用方法、書庫の現物借覧・戻し入れ等管理方法等) 要件6 保存期間満了時、廃棄・削除の措置の運用の仕組み 当該の文書が決められた保存期間の間、確実に管理され、期間満了後は、速やかに処分できる状態で管理されている。 文書管理のあるべき姿の運用イメージ 文書管理のあるべき姿の運用は、下図のようにPhase I:仕掛段階、Phase II:処理段階、Phase III:保存段階、PhaseIV:歴史的長期保存段階の四つからなっている。 ■電子自治体での文書管理イメージ図 ![]() 具体的な各Phaseについての運用イメージは、次のとおりである。
●電子自治体に向けての文書管理の進め方と電子決裁導入の留意点 新しい文書管理を進めるに当たっては、市町村の実情に合わせた進め方により、現実的な運用を段階的に行うことが望ましい。具体的には、電子決裁システム(文書単位での取扱い)の運用を開始するまでは、「ファイル単位管理」で運用し、電子決裁の運用を開始した時点から電子決裁文書のみ文書単位の登録を試行する。その際、本運用はファイル単位登録を継続する。電子決裁の運用の適用範囲を拡大した時点から文書管理システムの本運用(紙・電子文書単位管理)を開始する。 また、電子決裁システムにおいても既存の決裁フローをそのままシステム化するだけでは、複雑な仕組みが残ったままとなり、使いづらいシステムとなってしまう可能性がある。システム化による効果をより大きいものにするためには、既存の業務自体を規則や慣習にとらわれず見直し、最適な決裁プロセス形態を求めていく必要がある。 電子決裁導入の留意事項 電子決裁の狙いは決裁のプロセスを迅速化することにある。 市町村は、文書事務の電子決裁を進めることにより、業務の高度化や迅速化、さらに、事務処理の効率化など情報技術を活用した行政改革を図ることが求められている。 今後、市町村が電子決裁を導入するに当たり、留意すべきことを以下に整理した。 電子決裁導入の留意事項
電子決裁導入のための検討課題と対応検討参考例 今後の検討の参考材料として、電子決裁導入のための検討課題とその対応の参考例を以下により整理した。 ■電子自治体での文書管理イメージ図
●おわりに 文書管理システムは、「電子自治体の構築」の基幹となるシステムであり、そのシステムを運用するには「電子自治体に向けた文書管理の仕組みづくり」が前提となる。これから文書管理システムの導入を計画されている市町村の担当者に本稿が少しでも役立つことを期待する。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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