| 広報誌 ネット&ライン>No.98 | 最新号 | バックナンバー | ||||||
|
||||
![]() |
![]() |
| パソコンを過信するな 坂下町町民課長 楯 美津男 |
| 21世紀を迎え世の中まさに情報化社会・IT時代となりました。 私が役場へ入ったのは昭和42年、ソロバン片手に事務文書はすべて万年筆かペン筆での手書きでした。当時の事務機器はお粗末な状況にあり、特に印刷機器は青焼きコピー、ガリ版刷り、手や袖が汚れるため「袖あて」をした姿が役場職員の制服でした。原稿に間違いがあれば最初から書き直しの連続、何度も上司に御迷惑をかけたことを記憶しています。それでも事務的に不便を感じることはありませんでした。庁舎内は家庭的な雰囲気の中「よく働き」「よく飲み」「よく遊び」が服務規程?でした。今振り返ると懐かしく思います。以降、年数を追うごとに事務機器・印刷機器の目覚しい技術革新によりその機能が移り変わり、行政全般にわたり事務能力・効果は高まる一方でした。 昭和60年代に入り「ワープロ」が1台、役場の片隅に置かれました。「フロッピー」に保存可能なうえ、書き直し可能なこのシステムの導入は画期的な出来事でした。これが今あるパソコン時代の幕開けであったのではないかと思います。 私は、その「ワープロ」を面白半分で少し使ったことがありますが、数日かけて作成した文章を誤操作で「全文削除」してしまい、数日の苦労は徒労に終わってしまいました。未熟さに腹が立ち、以後使うことをやめました。私を含めた同年代の連中も「ワープロ」は若い職員に任せ見向きもしませんでした。管理者としての見栄のほかありませんでした。このころから庁舎内の文章は「手書き時代」から「美しい文字時代」へ移行されたように感じます。 本町は、IT革新の幕開けとして7年度に財務会計システムの導入を図りました。各課に初めてノートパソコンを配布し、当初・補正予算編成、執行管理、決算統計等の事務効率化に今でも大きな効果を発揮しています。事務効果を高めるため、国が示した「行政情報化推進事業」に基づき、12年度に町内各地に点在する町施設を光ケーブルで結ぶ「地域イントラネット整備事業」に取り組みました。もっとも、この事業に対する財政措置があったからこそ実施することができたと思います。さらに、昨年5月新装新たに開院した坂下病院内で医療情報システムの最新を誇る「電子カルテシステム」の構築も図りました。物品管理、医事会計管理、薬局管理、その他のオーダリングシステムとの組み合わせにより、患者情報の電子保存化により医師の診療行為をより高度化できるとともに各部門における職務の負担を大幅に軽減、治療待時間の短縮、介護支援、リハビリ支援等患者サービスの大幅な向上に寄与しつつあります。 こうした中、庁舎内及び出先機関を結ぶ総合ネットワークシステムを構築し、メールの受発信はもちろん、施設・公用車予約、スケジュール管理等更なる事務の効率化を図りました。これを機に三役を含めた職員全員にノートパソコンが配布されました。当然ですが私の机の上にもノートパソコンがセットされました。横文字に弱い私はこのシステムについていくのも大変でした。恥ずかしいことに、電源を入れることすら分からず、課の若い職員に聞きながら、今なら5分程度でできる文章を、当時は3時間に及ぶ悪戦苦闘の末に作成したことを思い出します。未だシステムの機能を全て把握しているとはいえませんが、以前課員に依頼していた文章を自分で作成することができるようになり、パソコンは私にとって欠くことが出来ない存在となっています。 今、職場の中を見回すと全職員がパソコンの画面と向き合い働いています。三役を含め私と同年代の課長が若い職員に操作を聞く姿を見ると面白くもあり、情けなくもある。「これも時代の流れなのか!」と痛感しています。 ―しかし、これでよいのでしょうか?― 私は、パソコンを使う職員全員(私も含む)に言いたい。「パソコンは絶対間違いがない」という先入観が強く、パソコンを過信している傾向にあるということです。僅かな入力ミスにより思わぬところで誤字、脱字が発覚、それが重大な過失に結びつくことが多々あります。パソコン機能が進化すればするほどこうした「パソコン過信」によるミスが増えはしないかと懸念を抱いています。 |
| これは私ごとですが「書くことがなくなり、下手な字が益々下手になりました。」「机から動くことが極端に少なくなりました。」「職員との会話が減りました。」「視力が低下しました。」、原因はこのノートパソコンとにらめっこしてからです。頭を使うことなく機械的に入力すれば思いどおりに文章化できる。あらゆる情報が得られる。つまり私は既にロボット化しているのではないかと錯覚に陥りややむなしさを感じます。 今後も益々IT技術が進化することでしょう。住民サービスの一環とし、住民基本台帳ネットワークシステムも全国規模で構築されようとしています。加速する情報化社会について行けるかどうか不安を抱いている今日この頃です。 この思いは私だけでしょうか? |
![]()
|