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広報誌 ネット&ライン No.99 2003 冬号
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総合行政ネットワーク(LGWAN)について
― 文書管理システムとの連係 ―
財団法人岐阜県市町村行政情報センター情報管理課

はじめに
 総合行政ネットワーク(以下「LGWAN」という。)の基本サービスの一つであります電子文書交換は、文書管理システムと密接な関係にありますので、センターが提供する電子文書交換連係システムの連係機能について御紹介します。

LGWAN電子文書交換とは
 LGWAN電子文書交換とは、LGWANアプリケーション基盤を利用し、電子的な公文書を地方公共団体相互間、地方公共団体と国の府省との間でやりとりをする基本サービスです。
 LGWAN電子文書交換では、送信側文書取扱主任が公文書を受信側文書取扱主任に送信し、受信側文書取扱主任が受け取った文書を確認及び保管し、送信側文書取扱主任に受領確認(受領否認)を行います。
 文書自体は、ファイルとして扱われるため、いかなるフォーマットのものでも取扱い可能です。

図1 LGWAN電子文書交換イメージ
図1 LGWAN電子文書交換イメージ

LGWAN電子文書交換を利用した文書事務
 通常、行政文書は紙文書を「原本」として管理保管されており、紙文書であるため複製の作成や改ざんが行われたとしても、視覚的にその痕跡をとらえることが可能です。
 しかし、電子文書を「原本」とする場合は、複製の作成や改ざんが容易であるため、いかにこれらの行為を防止し文書の原本性を保つことができるかが重要になります。
 この問題を解決するため、LGWAN電子文書交換システムでは、「認証基盤※1」、「ディレクトリ基盤※2」、「公証基盤※3」及び「XML電文交換基盤※4」のAPI※5により、送付された電子文書を地方公共団体の文書取扱主任がダウンロードするまでの間、その原本性を保証しています。
 市町村がLGWANと接続し、電子文書交換を行うに当たり、すべての市町村が文書管理システムを導入しているとは限りません。文書管理システム未導入の市町村において、電子文書となる原本は文書本体であり、受信した文書と同様な形態で保管、保存しておくことが望ましいといっても、これは現実的ではありません。
 文書管理システム未導入の市町村については、どのような運用をしていくのか本稼動までに決定されると思いますが、受信した電子文書を紙に出力し、これを原本として文書事務を行い、最終的に紙媒体で保管・保存しておくという運用も止むを得ないと思います。
 この場合には、当然、受信した電子文書を紙に出力するタイミングで、透かしの入った専用の用紙を使用したり、印を押すなど原本であることを証明できるような措置が必要となります。また、郵送されてくる紙文書と同様、受信時に文書件名簿に記入することも必要となります。
 ただし、原本保証された電子文書を環境的理由により紙文書とし、人を介して原本保証を行うこととなり、このような運用が許された場合でも、あくまでも過渡期的な措置としてとらえなければなりません。

図2 文書管理システム導入団体と未導入団体の相違点
図2 文書管理システム導入団体と未導入団体の相違点

 LGWAN文書の受発信は、ICカードによりログインして行います。ICカードは市町村で複数枚の取得が可能となっています。複数枚とすることにより、各課での送受信が可能になり、文書主管課の振り分け作業を無くすことができます。
 この場合においても、あて先が明確でないものについては、一般文書と同様、文書主管課で収受することになると考えられますので、運用管理体制を事前に協議しておくことが必要になります。また、LGWAN文書の送受信を行う者(ICカードの所持者)は、文書取扱主任としておくことも必要になります。
 LGWAN電子文書交換を行うということは、電子文書を原本として収受及び送付することになりますので、従来の紙文書に対して作成されている文書管理規程等を電子文書が扱えるように見直す必要があります。
 現在、文書管理システムを導入している先進的な市町村においては、既にこの対応が取られ、インターネットでも公開※6されています。

センターが提供する電子文書交換連係システムLGWAN連係
 LGWAN接続後は、市町村においては収受、保管、送付等の面で電子文書が取り扱えるよう、従来の業務を見直し、その仕組み(LGWAN電子文書交換と文書管理システムの連係)を作ることが求められます。
 センターの提供する文書管理システムでは、電子文書の原本性を確保するために、文書をデータベースに登録、更新する際に、電子データ本体と電子データごとに電子データ本体から計算されたハッシュ値を登録し、改ざんチェックを行っています。また、文書ごとのアクセス権限付与、登録及び更新時のみでなく文書参照時にもアクセスログを採取する等、徹底的な改ざん及び漏洩防止も行っております。
 LGWAN経由の電子文書における改ざんや漏洩の防止など原本性を確保し、スムーズな収受及び送付業務を可能にする機能を電子文書交換連係システムとして付加し、提供します。

電子文書交換連係システムの機能
 現在では、以下の機能について検討し、開発を進めることとしています。
ICカードによるログイン
 文書管理システムへログイン後、文書交換サーバへログインするために、ICカードを利用したユーザ認証
署名
 公文書及び受領確認、受領否認確認証への署名並びに共通鍵の複合化
確認証の取得及び一覧表示
 指定した確認証の内容表示
文書のアップロード
 公文書を文書交換サーバにアップロードし、送信側文書取扱主任の秘密鍵による署名
ユーザの検索及び選択
 ディレクトリ基盤上の情報から、メッセージ送信に必要な送信元、受信先及び受信側文書取扱主任の検索及び選択
送受信記録簿
 送受信記録(日時、宛名、文書件名等)の一覧作成
文書のダウンロード
 公文書のダウンロード(共通鍵の複合化)
受領確認及び受領否認
 受信メッセージに対する受領確認及び否認

電子文書交換連係システムの開発方法等
【開発方法等】
 平成14年度文書管理システム開発部会で電子文書交換連係システムの機能(収受及び送付の簡素化、送受信一覧表の作成等)を検討しながら実装していくこととしています。
 総合行政ネットワーク全国センターが開示する「総合行政ネットワークAPI仕様書」(「XML電文交換基盤仕様書」、「公証基盤仕様書」等)に基づいた仕様とします。
 文書管理システム未導入団体にもLGWANによる電子文書交換を行う機能を提供できるよう検討しています。
【提供時期】
 15年度4月以降LGWAN接続団体から提供いたします。

<参考資料>
「地方公共団体における電子化に対応した文書管理に関するガイドライン」(13年3月 総務省自治行政局地域情報政策課)

※1: ICカードを利用したシステムへのログイン時及び受信した電子文書が正しいかを検証する。
※2: 宛名管理を行い、文書取扱主任が相手の宛先を検索するときに利用する。
※3: 電子文書送信時、到着時、開封時、受領確認(受領否認)時、保管時等の文書取扱主任の操作時にタイムスタンプした確認証を発行する。
※4: 文書交換サーバ間の確認証の送受及び文書交換サーバ間の状態整合を行う。
※5: あるプラットフォーム向けのソフトウェア開発時に使用できる命令や関数の集合。
※6: 足立区、船橋市等